ぴ・え・ろ
今回は2曲目に収録されるこちらの楽曲!
ぴ・え・ろ
(ぴえろ)
CD音源用のYou Tubeアップしました!
シティポップです。
ある日突然、ピエロって言葉いいな、この言葉を曲の題材にしたいな。
そんな思いつきが頭の中をぐーるぐるしました。
私は時折、こういった形で題材を思いつくことがあります。
道を歩いている時、本を読んでいる時、ネットを徘徊している時。
色んな場所に言葉は落ちています。
いつもなら素通りしてしまう言葉でも、どういう訳か頭にこびりついてしまう瞬間がありまして…。
一度こびりついてしまうとその言葉に対してポジティブな印象を感じるため、メールの下書きにメモしておくのです。
そのメモをあとから見返すと、なんでこの言葉に惹かれたんだ?と思う物もあるのですが、一度持ったポジティブなイメージはほぼ覆ることがないため、実際何度か歌の題材になっています。
そんなこんなで私の言葉メモ帳にピエロという言葉が追加されたのですが、そこからこのぴ・え・ろが出来上がるまで1年ほどかかります。
ピエロという言葉を温めて温めて、制作する気になるのかどうかすらわからないまま時は過ぎたのですが、2020年の秋頃にそのタイミングはやってきました。
コロナ禍1年目だった事もあり、私はこの当時未知の恐怖や不安に支配されていました。
もちろん私だけではありません。
周りの人も同じ思いであった事は確かなのですが、その不安へのストレス発散のはけ口として、私自身が強く当たられる事が非常に多かった時期でもあります。
あんまり当時詳しく書いていなかったし、今も書きたくはないのですが、大勢の前でバカにするような事を言われたり、陰口を叩かれたり、相手が悪いのに言葉巧みに他人を支配して私にヘイトが向くように仕向けられたり、もうとにかくむちゃくちゃでした。
加えて、コロナ禍のためホームだった東京でのライブも出来ず、自分のストレスと第三者からのストレスを蓄積してキャパオーバーとなった私は、あやうくドッカーン寸前。
しかし、これじゃいけないぞ…。と冷静になりドッカーンしたい気持ちを歌にする事にしました。
私は、嫌な気持ちをただで捨てたくない貧乏性なので、この気持ちにならなければこの曲は出来なかったんだという既成事実を作る事によって、自分の辛い経験を肯定しようとしたのです。
いざ、曲を作ろうと考えた時、温めてきた題材、ピエロを思い出しました。
ピエロ、といえば私にとって気味の悪い存在です。
昔、イットというホラー映画を見てピエロの存在がトラウマになった事もあり、近寄りたくない存在でした。
さらに、ピエロは笑い者として描かれる事も多く、なんだかそれって今の私みたいじゃない?そんな風に思いました。
ピエロという言葉に惹かれた時期は人からの悪意を向けられていなかったのに、どういうわけだか惹かれた。
まるで、一年後の私の姿を見越していたみたいでした。
題材が決まれば、そこから先は早かったです。
あっという間に曲が出来上がり、作詞もスムーズでした。
普段、作詞に自分を投影する事がめったにない私ですが、この曲に限っては自己投影していたので、すんなり作詞が出来ました。
先生に提出した際、ヴィーナスベルト以来のお褒めの言葉を頂きました。
サビのメロディがかっこいいと言って頂けてとっても嬉しかったです。
シティポップアレンジがよく合う楽曲となり、気だるさとやるせなさという、当時の自分が背負った絶妙に不安定な心情を表すことが出来たかな、と思っています。
失って
ちょっとは惜しいと思えば
あなたの方が道化師なのよ
本当にぴ・え・ろだったのは、さぁ誰だったのでしょう?
(ブログ2023.8.3より転載)