タイニーレイニー・シネマ
さて、お次に紹介するのは、4曲目収録、『タイニーレイニー・シネマ』です。
これは、時系列的には三曲目に戴いた曲でして、私の一番好きな曲です。
静かで綺麗なイントロを聞き、浮かんだのは、雨。
そして、ムーンライト、撫子、と一癖ある楽曲とは違い、正統派なイメージを受けました。
そうなると、歌詞もやっぱり正統派で行かなければ。
前回書いた、印象に残る、中毒性は一旦忘れ、素直にひとつの物語を書いていきました。
この歌は全体的に、軽めな切なさが漂っている気がしたので、そこから失恋してしばらく時が経っている女性の姿が浮かびましたが……。
映画のように出会った男女。だけどあっさり捨てられた女。そこから数年経ち、あの人に振られた時に降られた雨によく似た雨が降った女は過去を思い始めた……。
いつもの作詞の法則から離れているため、とても詞が書きづらいのです。
なかなか上手く行かず……困り果てた私は、昔から書きためている私の秘蔵作詞ノートを引っ張りだし、そこからフレーズを組み込んでいったりしました。
サビの部分は当初、
1番『地面に雨、ぶつかっては死んでいくの』
2番『スクリーンの外でもドラマは続くはずと』
と、サビでっせ、と言わんばかりの言葉チョイスではありませんでした。
そして三番のサビでやっと、
『タイニーレイニー』
と歌う構成でしたが、ダメだしの際に、タイニーレイニーと言う言葉をすべてのサビに使う方がいいとのアドバイスを受け、今の形になったのです。
ちなみに私がCDを出せたのはこの曲のおかげと言っても過言ではありません。
2014年の5月末からお世話になっているレッスン所を、9月には辞めようと思っていました。
理由は色々あって、家族が入院したり、私自身のモチベーションが低下したり、芸事の世界に付きまとうしきたりに疲れてしまったり。
深くは言えません。
なので、実際辞めたい旨を先生に一度メールで送っているのですが………、なんだかんだ私には迷いがありました。
それはこの歌が好きだったからです。
どうしてもこの歌だけは形に残したかった。
だから、頑張れた部分があります。
この歌は、レコーディングの時に、ひと悶着ありました。
それは、私がいつもの頑固さを発揮して、いつもの意地っ張りを通したゆえに起こった出来事でした。
私が一番好きで、大切な歌だったからこそ、大切に歌いたかったのだと思います。
だって、この歌がなければリリーベル・シアターはこの世に出てなかったんですからね。
余談ですが、タイニーは、うちの母も好きです。
タイニーレイニー・シネマ
いまだに、この曲をレッスン所で初めて聞いたときの気持ちが忘れられないな。
ムーンライトは初オリジナル!という事で感動したけど、それとはまた違う気持ち。
ちなみに、『タイニーレイニー・シネマ』というタイトルは、漫画家の大島弓子さんが名付けそうなタイトルを目指して付けました。
というか、私の付けるタイトルは、大島弓子さんと、70年代~80年代くらいの岩崎宏美さんの楽曲っぽく付けています。
大島弓子さんは綿の国星の原作者ですが、綿の国星の各話のサブタイトルがとても私の心をくすぐるのです。
『日曜日にリンス』『苺苺苺苺ーバイバイマイマイ』『カーニバルナイト』『シルクムーン・プチロード』
可愛くて独特。
岩崎宏美さんの楽曲は、
『マチネへの招待』『ハートブレイク・トワイライト』『52階のオフ・ステージ』
タイトルだけで、どんな歌か聞いてみたくなる………。
なので、リリーベル・シアターに収録されている他の曲も、このお二方を参考にしてまして…、一番近づけたかなと勝手に自分で思っているのは、タイニーレイニー・シネマです。
(ムーンライトジャーニーだけは、スターダストレビューのトワイライトアヴェニューを目指しましたが( ・(ェ)・))
(ブログ2016.5.24より転載)