ヴィーナスベルト
最後を飾るのは、六曲目に収録される、
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ヴィーナスベルト
花夢幻想のメイン楽曲です。
この曲は、黄昏観覧車に続くキュンキュンソング第二弾。
(キュンキュンソングについては、黄昏観覧車のライナーノーツをお読みください)
突然、切なくて聴いているだけでドキドキするような楽曲が作りたくなった私。
突発的な思いつきなので、すぐにスマホのボイスレコーダーに鼻歌を吹き込んでメロディを組み立てていきました。
こういう風に曲を作るときは、適当に歌詞を組み込みながらやります。
デタラメな言葉の羅列ですが、文字数とかがわかりやすくなって後々作詞がやりやすくなるのです。
その後、キーボードも使いつつメロディは意外とすんなり出来たので、そのあとは作詞。
普段、私は作詞が早いです。
元々活動を始める前から作詞が趣味で、その時から30分くらいで一曲を書いていました。
それなのに、このヴィーナスベルトに関してはとにかく作詞に時間をかけました。
3週間ぐらいかかったと思います。
キュンキュンソングだけど、黄昏観覧車とはまた違ったテーマにしたい。
だけどなかなかイメージが定まらず、最初にデタラメに羅列した言葉に引っ張られてしまって、今とは全く違うテーマの歌詞を書き出してみたりしていました。
だけど曲の雰囲気から色々と考え、美しく、幻想的な雰囲気で行くことに。
ただ、美しく幻想的って具体的に一体どんなの?
それだけではあまりに抽象的なので、ひとつテーマを決めることにしました。
そうして私の中で導き出された答えは、夕暮れ。
奇しくも黄昏観覧車とテーマが被りましたが、それでも自分の美意識を優先して夕暮れをテーマにすることに。
ひとまずサビの部分だけ夕暮れをテーマに作詞をしてみました。
そのまま他の箇所も作詞を続けようとした矢先、私はふと、あることを思い出したのです。
以前の仕事場で、同僚の方の待受画面を見る機会がありました。
それは、淡くピンク色に染まるとても美しい空の写真。
確か、夕暮れ時に自宅から撮った写真だと言っていました。
スマホ画面に映し出されるピンク色の空。
綺麗で幻想的でその当時、すごく印象に残っていたことを記憶しています。
そんな空の写真を突如思い出した私はすぐに、
空 ピンク色
で検索をしました。
この現象には何か名前があるのではないか、そんな期待を込めて調べていくと…。
朝や夕暮れに空がピンク色に染まる現象が、
ヴィーナスベルト
と呼ばれていることを知りました。
これだ!
心の中で叫びました。
そこからヴィーナスベルトをテーマに、この歌の世界を描いていきました。
海が見える場所で恋人たちは戯れ、愛の果てへとやってくる。それを見つめる女神の帯、ヴィーナスベルト。
女神の帯は愛を導く術…。
世界観が決まったとは言いつつ、言葉を紡いでいくのがとても難しく時間がかかりました。
朝目覚めて布団にもぐったまま詞を書いた日もあります。
そうして、ヴィーナスベルトに似合う言葉が降りてくるのをじっくり待っていた私は、非常に納得の行く歌詞を書くことが出来ました。
先生のアレンジも、本当の本当にヴィーナスベルトという世界観を理解してくださって、これ以上別のアレンジが考えられないくらいに素晴らしいものとなっています。
コーラス、ハモリも他楽曲より多く取り入れたのですが、それが功を奏し歌の厚みを表現できました。
思えば、同僚の方の空の写真をなぜあの時思い出したのか、今でも不思議です。
でも、思い出せたから、こうしてヴィーナスベルトがこの世に生まれました。
私はこの曲が、今まで自分が作ってきた中で一番好きです。
だからこそ、花夢幻想の最後を飾るにふさわしい楽曲だと思っています。
メイン楽曲を最後に持ってくるのは初めての試みですが、この歌はミドルテンポだし、最初に持ってくるよりは最後に置いて余韻を感じてほしかったのでこの位置にしました。
今回のアルバム、ヴィーナスベルトの歌詞が書かれたページはぜひ見ていただきたいです。
あの写真の撮影者は私です。
こうして、先生のお力をたくさん借りて作り上げた六曲。
途中、コロナ禍のため一年間サードミニアルバム制作が中断してしまい、自分でも完成の目処が立たずとにかく不安な時期もありました。
でも、こうして無事に完成しました。このアルバム作りに関わってくださったすべての皆様へ、御礼申し上げます。
花のようで夢のように幻想的な物語を六つ連れて、9月12日、いよいよ花夢幻想はそのページを開きます。
どうぞ、あなたの心にこの楽曲たちが花を咲かし、夢を見せてくれますように…。
(ブログ2022.9.10より転載)