スカーレットで珈琲を
CD音源用のYou Tubeアップしました!
星空アンティーク珈琲のメイン楽曲です。
スカーレット。
言葉メモ帳に記録したのはいつだったか。
あまり覚えていません。
きっと記録したくなるほどスカーレットという言葉にびびびと来た日があったのだと思います。
それから数年後のとある夜。
ラジオ終わりに車で帰宅途中、渋滞に巻き込まれました。
車はなかなか進みません。
私は暇つぶしに助手席から窓の外を眺める事にしました。
普段ならスムーズに走り抜ける道路です。
こうしてまじまじと眺める事もありません。
ふと、小さな路地がある事に気が付きました。
何度も通ってきたはずなのに、初めて気が付いた道。
辺りは静かな住宅街で、そんなに遅い時間ではないのに電気を消している家もちらほら…。
しかしそんな路地奥に、一軒だけ電気が付いている家がありました。
車から大分離れているのであまりよく見えませんが、こじんまりとした家で、門もなく、ダイレクトに玄関先が見えます。
形としては、真ん中に扉があって左側がガラス張りのような感じ。
家。
というよりは喫茶店っぽいな、と思いました。
(実際に喫茶店でした)
その時どういう訳か、一軒の喫茶店が記憶から呼び起こされました。
ーー以前、東京ライブがある時は行きも帰りも夜行バスを利用していました。
帰りの夜行バスは、京都駅前の商業施設アバンティから、少し歩いた場所のバス停に到着する事が多かったのですが、超早朝だった事もあり、すぐ目の前にある小さな喫茶店でモーニングを食べて帰るのがルーティンになっていました。
ちょうどその喫茶店の形が、真ん中に扉があって、左側がガラス張りでテーブルが設置されているので、路地奥に光る建物と構造が似ていたのです。
ふたつの喫茶店が合わさった時、私の頭の中に、なぜかあのガラス張りの向こうにあるテーブルで、待ちぼうけをくらう女の子の姿が浮かびました。
そんなイメージが浮かんだあと、頭の中を急進的に言葉が駆け抜けていったのです。
喫茶スカーレット。
どうしてだか浮かびました。それから次に出てきたのが、
スカーレットで珈琲を
この文言です。
だけど、その時はそこまでで終わり、続きの歌詞や、ましてやメロディも浮かばず…。
また温めコースです。
それでも数日経つと、スカーレットで珈琲を、の部分のメロディがふっと浮かびました。
浮かんだ、という事は完成出来るかも…!
私はそれから、歌詞とメロディの同時進行で楽曲を完成させました。
とある約束をした男女。
女は男を喫茶スカーレットで待っています。
時間は午後7時。
あなたはきっと来てくれるはず。
あなたはきっと選んでくれるはず。
あなたの愛するすべてを投げ売ってでも…
メールの下書きに歌詞を保存したのが2020年の3月16日なのですが、色々と忙しくって先生に提出したのはなぜか2020年の年の瀬(汗)
年が明けてから本格的に制作に入りましたが、
『バックボーンを考えると今の歌詞には悲惨さがない
』という先生からのアドバイスがあり、歌詞を少し変更しました。
また、メロディの変更や継ぎ足しもあり、ストーリーに深みを出すことが出来たかなと思っています。
余談ですが、京都の喫茶店はいつの間にやら閉店していて、路地奥の喫茶店は営業しているのかよくわからない状態です…。
悲しい…。
今回、『スカーレットで珈琲を』が星空アンティーク珈琲のメイン楽曲です。
メイン楽曲を何にするか決めかねていましたが、みなさんからのご意見を踏まえ、総合的に判断しました。
来てくれるはず あなた
来るはずのない あなた
彼女の愛の賭けは、さあどちらに…?
(ブログ2023.8.12より転載)