Purple Jewel

それでは本日も早速、来週月曜日に発売が迫ったセカンドアルバム、月曜日の昼下りからライナーノーツをお送りします。

今回はこちら!

Purple Jewel

(読み ぱーぷる じゅえる)

月曜日の昼下り 三曲目に収録されています。

この楽曲はとても古いです。

今のレッスン所に来る前……さらにもっともっと古くて……。

なんと、10年くらい前に作っていた楽曲です。

その頃の私は音楽活動とは無縁の生活で、自宅で家族みんなと祖父の介護に明け暮れる日々を送っていました。

認知症を患っていたので、日中、深夜問わず徘徊していた祖父から目が離せず、芯から眠れない、寝ていても少しの物音で目を覚まさなければならない、という生活でした。

必然的に夜遅くまで起きて、祖父の部屋が見える場所で行動を見守らなければならないのですが、その見守り時間はとても暇です。

なにかが起これば忙しいけど、そうでなければ本当になにも起こらないので、私は暇潰しに携帯に歌詞を書いたり、思い付いたメロディーをボイスレコーダーに録ったりしていました。

ある日、いつもの見守り時間。

暇潰しに翻訳サイトで遊んでいました。

色んな言葉を日本語から英語に翻訳して、へぇ~そう言うんだ~なんて思っていました。

それで、その時。

どういうつもりだったかは忘れましたが、

『紫は宝石の色』

と日本語で入力。すると翻訳されて

『Purple is the color of jewel』

と、出てきました。

ぱーぷる……いず ざ…からーおぶ……じゅえる………なんかいいじゃんっ!!!!

そう思った私は、そのままの勢いでPurple Jewelのサビの前半だけを作りました。

しかしその時は、そこから先が全く思い付かず…。

色々と組み合わせて考えてみても、なんか合ってないし、変だし、納得が行きませんでした。

おまけに、

もし曲を作ったとしてもそれをどうするの?私はなにも活動をしていないし、作ったところで今の環境では動けない……。

そう思うと、Purple Jewelを作りかけで放り出すしかありませんでした。

(この頃、きちんと最後まで完成させた楽曲は少しだけありますが、ほとんどの楽曲が作りかけで放置されています)

よく、なんでもっと若い内に活動してなかったの?と聞かれたりしますが、こういった事情もあったんです…(>_<)

(そもそも宝塚音楽学校受験も、おじいちゃんの事があったから諦めたし…)

それから月日が経ち、おじいちゃんは週に数回デイサービスに通うようになり、私も活動を始めることが出来ました。

(おじいちゃんは、後に99歳で亡くなりました)

そして、さらに月日は流れ2018年の夏前。

ちょうど黄昏観覧車を作るか作らないかの時だったと思います。

私は定期的に、以前使っていたガラケーの電源を入れて昔の携帯に入ってるゲームで遊んだりしています。

その時も久しぶりにガラケーに入ってるゲームで遊んだり、過去のメールを見たりしていたのですが、ふとメールの下書きが大量に80件くらいあることに気が付きました。

そう、私はあの暇潰し時間に、歌詞をメールの下書きに保存していたんです。

(他には思い付いた言葉や自作小説とか……)

それらを見ていると、すっかり忘れていたPurple Jewelの存在を思い出しました。

そう言えばこれ、サビの前半だけしか作ってないな……。

今ならこの歌を甦らせるかも……!!!

私は放置していた部分を早速作り始めました。

当時作っていた部分は、

Purple is the color of jewel

光る宝石

Purple is the color of jewel

あなたには似合わないわ

ここだけです。

ここから、サビの後半、aメロ bメロを作りました。

そして作詞を開始。

正直、最初に作っていた歌詞はどういうつもりだったのかよく覚えていません。

そもそも

『紫は宝石の色』

の意味も、よくわかりません。

当時も、そこまで明確に意味があった訳ではないと思います。

でもなんとなく、

高慢ちきで美しい女が、紫という色は高貴な宝石に一番似合う色だから、私だけが身に付けられる。美しくない小娘はおだまりなさい。

という意味かな、と思って作詞しました。

言うなればこれは、過去の私と2018年の私との合作です。

それからレッスンを再開して、この曲を渡したのは2018年の大晦日。

そこからメロディーの変更や、歌詞の変更などを経て楽曲が出来上がりました。

楽曲が出来上がると次はレコーディングなのですが、先生からは曲の間にフェイクを入れるように指示されました。

入れるのはイントロと、二番のサビと三番のサビの間の間奏。

昔からフェイクが苦手な私は、見世物少女のイェイイェイウォウウォウでもかなり頭を悩ませましたが、楽曲をかっこよくさせるために絶対頑張ろう!と決意。

特に、二番サビ終わりから三番サビに行くまでの間奏でロングトーンを入れたい、と思いました。

8小節、ずっと声を伸ばしていたい。

そう思って練習でも何度もチャレンジしましたが、全然出来ず…。

息が続かない、とか、続いても声がぶれたり、とか…。

情けない有り様でした。

先生からも、出来ないならやめるべきと、はっきりと言われ……。

どうしてもやりたいなら、せめて4小節で止めてはどうか、と提案されました。

結局、8小節ロングトーンは没となり、4小節ロングトーンで行くことに。

そのままレッスン終了時間になり、では来週はレコーディングです、と言われレッスン所を後にしました。

私は、出来ない私自身にショックでした。

でも、こうなったら4小節でも最高のロングトーンにしよう!と気持ちを切り替え、家に帰って練習。

そして、ついにレコーディング当日になりました。

順調に、一番、二番とレコーディングが進み、ついにフェイクの部分!

私はその時、もちろん4小節で終わらせるつもりでした。

それなのに、どういう訳か、私の声は……………。8小節出ていたのです!!!

意味がわかりませんでした。

歌いながら、

あれ、私の声、止まらないっ!!!

と、思いながら歌いきってしまったのです。

こんな事ってあるんだ、そう思わざるを得ませんでした。

色々と効果も付けて頂きまして、かなり派手で迫力あるロングトーンとなっております。

そして、他の箇所もかっこよく、色っぽく、怖く、そんな仕上がりになりました。

こちらの動画ではロングトーンは聞けません。

ぜひCDをお求めくださいっ(>_<)

(ブログ2020.10.15より転載)